歯周病
歯周病

歯周病とは、歯周病菌が引き起こす炎症性の疾患で、歯ぐきや歯を支える骨が破壊されていく病気です。日本の成人の多くが罹患している、あるいはその予備軍であると言われるほど、誰にとっても身近な問題と言えます。
主な原因は、プラークに潜む歯周病菌です。歯垢は、食べかすなどを栄養源として細菌が繁殖したもので、この細菌が出す毒素によって歯ぐきに炎症が起こります。
最初は歯ぐきが少し腫れて出血する程度の「歯肉炎」ですが、これを放置すると歯周ポケットが深くなり、骨が溶け始める「歯周炎」へと進行します。
歯周病の怖いところは、むし歯と異なり、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどない点です。静かに進行していくため、異変に気づいた時には、歯を支える骨がすでに大きく失われているケースも少なくありません。
当院では、ご自身の歯を一本でも多く守ることを治療方針の基本とし、歯周病の早期発見と治療を重視しています。
歯周病は初期症状がわかりにくいため、セルフチェックが大切です。以下の症状に一つでも心当たりがある方は、症状が軽くても受診しましょう。
当院では、科学的根拠(エビデンス)に基づき、「できる限りご自身の歯を残す」ことを目指した歯周病治療を実践しています。
そのために、①精密な診査・診断と②セルフケアの習慣化、この二つを治療の柱としています。歯周病は生活習慣病の一側面も持つため、歯科医院での治療と、ご自宅でのケアが揃って初めて根本的な改善が見込めるのです。
質の高い歯周病治療は、お口の状態を正確に把握することから始まります。歯周病は目に見えない歯ぐきの内部で静かに進行するため、効果的な治療計画を立てるには精密検査による原因の特定が必要です。
当院では、歯周ポケット検査やレントゲン撮影といった検査を行います。歯ぐきの内部で起きている炎症の範囲や、歯を支える骨がどの程度失われているのかを把握。検査結果は画像やデータでお見せしながら、わかりやすくご説明いたします。
歯科医師と歯科衛生士がそれぞれの専門性を活かし、密に連携して治療を進めます。診断から治療、治療後のメンテナンスまで一貫した方針のもと、質の高いチーム医療を提供することが当院の方針です。
歯科医師が診断や治療方針の決定、外科処置などを担い、歯科衛生士がクリーニングや一人ひとりのお口に合わせたセルフケア指導を担当します。
重度の歯周病によって失われた顎の骨などを再生させる「歯周組織再生療法」にも対応しています。これは、特殊な薬剤などを用いて、歯を支える組織の再生を促す治療法です。「もう抜くしかない」と諦める前に、ぜひご相談いただきたい選択肢の一つです。
歯周病は再発のリスクが高い病気であり、治療後の健康な状態をいかに長く維持できるかが重要になります。
そこで当院では、専門のトレーニングを受けた歯科衛生士が同じ患者さまを継続して担当する「担当歯科衛生士制」を導入しました。ささいな変化にも気づきやすく、信頼関係に基づいた、きめ細やかなサポートの提供に努めています。
また、予防意識の高い患者さまを応援する独自のメインテナンス支援「厚誠クラブ」や、通院が難しい方のための訪問歯科診療もご用意し、一人ひとりのライフステージに寄り添い続けます。
歯周病治療は、病気の進行度合いに合わせて計画的に進めていくことが重要です。ここでは、各段階に応じた治療法をご紹介します。

軽度の歯周病(歯肉炎)
歯ぐきのみに炎症が限定されている段階です。この時点では、クリーニングとセルフケアを習慣づけることで改善を目指せます。
まず、歯科衛生士が歯磨き指導(TBI)を行います。その上で、ご家庭の歯磨きでは除去できない歯石を超音波スケーラーなどで除去する「スケーリング(歯石除去)」を行います。

中等度の歯周病
炎症が歯を支える骨にまで達し、骨が溶け始めた段階です。歯周ポケットが深くなり、歯の根の表面にまで歯石が付着するため、専門的な処置が必要となります。
基本的なスケーリングに加え、歯周ポケットの奥深くにある歯石を取り除き、歯根の表面を滑らかに磨き上げる「ルートプレーニング(SRP)」を実施。汚れの再付着を防ぎます。

重度の歯周病
歯を支える骨が大きく失われ、歯がぐらつき始めることもある段階です。この状態では、外科的な処置や失われた骨を再生させる治療を検討します。
代表的な治療法は、歯ぐきを切開して歯根を直接目で確認しながら清掃する「フラップ手術」です。これは麻酔後に歯ぐきを一時的に切開し、通常のクリーニングでは届かない歯周ポケットの奥深くにこびりついた歯石や感染した組織を徹底的に取り除くことを目的としています。
また、骨の失われ方によっては、失われた歯周組織の再生を促す「歯周組織再生療法」も選択肢となります。
歯周病治療にかかる期間や回数は、病状の進行度合いやセルフケアの状態によって異なります。
軽度であれば数回の通院で済みますが、重度の場合は外科処置なども含め、半年から1年以上かかることもあります。治療後のメンテナンス期に移行してからは、お口の状態に応じて月2回〜半年に1回のペースでの通院が目安です。
初診の際に検査を行い、治療計画とおおよその期間・回数の目安をご説明しますので、ご不明な点はお気軽にご質問ください。
歯周病治療において治療そのものと同じくらい大切なのが、治療後に健康な状態をいかに維持していくか、という点です。
なぜなら、歯周病は一度改善しても油断すると再発してしまう非常に厄介な病気だからです。治療の完了はゴールではなく、健康な状態を維持するためのスタートラインとお考えください。
そのため、治療を終えた後は「SPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)」と呼ばれる定期的なメンテナンスへ移行します。
SPTとは、再発の兆候がないかをプロの目でチェックするとともに、ご自身の歯磨きでは落としきれないバイオフィルムを除去する、お口の健康維持プログラムのことです。お口の状態に合わせて適切な通院間隔をご提案します。
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