2026年6月11日

セラミックは白くて美しく、むし歯にもなりにくい優れた素材です。しかし、天然の歯よりも硬い反面「しなり」がないため、強い衝撃や持続的な負荷に耐えきれずに割れてしまうことがあります。
セラミックが割れる原因は歯ぎしりや噛み合わせのズレなど、習慣や口内環境の変化が大きく関わっていることが多いです。
そこで本記事では、セラミックの歯が割れてしまう5つの主な原因をはじめ、割れた直後に取るべき対処法、セラミックを長持ちさせる方法を解説します。
セラミックの歯が割れる5つの主な原因

セラミックが割れる原因は一つではありません。噛み合わせのズレや土台の歯のコンディションなど、これらが絡み合って、ある日ふいに割れてしまいます。
原因①:歯ぎしり・食いしばり
夜、眠っているあいだに無意識で歯を擦り合わせる力は、体重の2〜5倍にもおよぶといわれています。体重60kgの方なら、なんと120〜300kgです。
セラミックは硬さでは天然歯を上回るもののしなりません。そんな硬い素材にハンマーで叩くような力が毎晩加わるのですから、いずれひびが入ったり割れたりするのは想像に難くないでしょう。
また、仕事などで集中しているとき、ふと気づくと上下の歯が触れ合っていませんか?この力もセラミックにとっては大きな負担となります。
原因②:噛み合わせのズレ
噛み合わせがほんの少しズレているだけでも、セラミックの寿命は縮みます。
本来、上下の歯は全体で力を分散しながら食べ物を噛み砕いています。ところが一箇所だけが先に強く当たる「早期接触」がセラミックを入れた歯に起きていると、その一点にすべての負担が集中して、割れてしまうことがあるのです。
原因③:硬い食べ物や打撲などの衝撃
氷をガリガリ噛む癖がある方、硬いおせんべいを前歯でバリッとかじる方、殻付きのナッツを歯で割る方。思い当たる方、いらっしゃるのではないでしょうか。
セラミックは天然歯よりも硬い素材ですが、金属のように曲がって衝撃を逃がすことができません。瞬間的に強い力がかかると、金属なら少し変形して耐えるところを、セラミックはそのまま割れてしまいます。
食べ物以外にもリスクはあります。スポーツ中にボールや肘が顔に当たる、転倒して口を打つ、仕事中にペン先を噛む癖がある場合もセラミックが割れる引き金となります。
原因④:土台となる歯のむし歯・歯周病の進行
セラミックそのものに問題がなくても、その下で土台の歯が弱っていれば、いずれ破折は起こります。
セラミックの被せ物の内側で、気づかないうちに二次むし歯が進行していることがあります。むし歯で歯質が溶けると、被せ物を支える基盤が弱くなり、通常の咬合力にすら耐えられなくなってしまうのです。歯周病が進行して歯を支える骨が減ってしまった場合も同様で、土台ごとぐらついてセラミックが外れたり割れたりする原因になります。
原因⑤:接着剤の劣化
セラミックを歯に固定しているのは、歯科用の接着剤(レジンセメントなど)です。接着剤も永遠にもつわけではありません。口腔内は温度変化が激しく、唾液にさらされたり、咬合力が繰り返しかかったりする過酷な環境です。年月とともに接着力が低下し、セラミックと歯のあいだにわずかなすき間が生まれ、結果として割れてしまうことがあります。
セラミックの歯が割れたときの対処法

セラミックが割れたり欠けたりしたとき、まずやっていただきたいのが破片をティッシュでくるまず、清潔な小さな容器に入れて保管することです。
そして、できるだけ早く歯科医院に連絡してください。電話で「セラミックが割れた」と伝えれば、多くの医院で当日〜数日以内の予約枠を案内してくれます。
ここで、絶対にやってはいけないことが一つあります。それは、市販の接着剤で自分でくっつけようとすることです。
家庭用のボンドは人体への安全性が考慮されていません。噛み合わせが微妙にズレた状態で固めてしまうと、残っている歯や顎関節にダメージが及びます。
また、「痛くないからしばらくこのまま」も、おすすめできません。割れた断面から歯の内部の象牙質が露出していると、そこからむし歯が広がります。数週間放置しただけで、神経に達するほど深く進んでしまうケースもあります。できれば、その日のうちに、遅くとも1週間以内には歯科医院を受診しましょう。
セラミックの歯を長持ちさせる4つの方法

ここでは、セラミックを長持ちさせる方法を紹介します。
ナイトガード(マウスピース)で歯ぎしりのダメージを軽減する
歯ぎしりや食いしばりの自覚がある方には、就寝時にナイトガードを装着することを強くおすすめします。ナイトガードは透明のマウスピースで、上の歯列にはめて使用するのが一般的です。歯ぎしりの力を装置全体に分散させ、セラミックへの直接的なダメージをやわらげてくれます。
定期検診で噛み合わせと歯の状態をチェックする
3ヶ月~半年に1度定期検診を受けることで、噛み合わせの微調整、セラミックのヒビの早期発見、土台の歯の健康状態の確認が行えます。
また、多くの歯科医院では保証の条件として定期検診の受診を設けています。検診を怠ると、万が一割れたときに保証が適用されないケースもあるため、ご自身の保証内容を改めて確認してみてください。
硬い食べ物の食べ方を意識する
硬いおせんべいやフランスパンは、前歯でかぶりつくのではなく、小さめにちぎってから奥歯で噛むようにする。氷を噛み砕く癖がある方は、飲み物をストローで飲むなどして、そもそも氷を口に入れる機会を減らしてみましょう。
セルフケアの質を高めてむし歯・歯周病を予防する
土台の歯が健康であってこそ、セラミックは長持ちします。歯ブラシに加えて、フロスや歯間ブラシで歯と歯のあいだの汚れをしっかり落としましょう。
特にセラミックと歯ぐきの境目は、プラークがたまりやすいポイントです。歯科医院でブラッシング指導を受けて、自分の磨き残しやすい箇所を把握しておくと、セルフケアの精度が上がります。
まとめ
セラミックが割れてしまう主な原因は、「歯ぎしり・食いしばり」「噛み合わせのズレ」「硬い食べ物などの衝撃」「土台の歯のむし歯・歯周病」「接着剤の劣化」の5つが挙げられます。
万が一割れてしまった場合は、破片を清潔な容器に保管し、決して市販の接着剤で自分でくっつけたり、痛くないからと放置したりせず、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
「高価なセラミックが割れてしまった」とショックを受けるかもしれませんが、早期に適切な処置を受ければ大丈夫です。また、日頃からナイトガードの使用や定期検診の受診、丁寧なセルフケアといった予防策を実践することで、セラミックを長く美しく保つことは十分に可能です。
もし現在、セラミックが割れたり欠けたりしてお困りの方は放置せず、厚誠会歯科 相模大野へすぐにご連絡ください。当院では、割れてしまった原因を的確に診査・診断し、患者さまのお口の状態に合わせた修復プランをご提案いたします。
また、「今のセラミックをできるだけ長持ちさせたい」という方に向けた定期検診や噛み合わせのチェック、歯ぎしりから歯を守るナイトガードの作成も承っております。ぜひお気軽にご相談ください。