2026年10月10日

「インプラントを入れたら、もうMRIは撮れないの?」
「もし将来MRIが必要になったらどうしよう」
このような疑問はありませんか?
結論から言うと、2026年現在主流となっているチタン製のインプラントであれば、MRI検査はほぼ問題なく受けられます。
チタンは磁石にくっつかない非磁性体であり、MRIの強力な磁場に反応して発熱したり、画像を大きく乱したりする心配がほとんどないためです。
しかし、一部の古い素材のインプラントや、磁石を使用する特殊な治療法など、事前の確認や注意が必要なケースもあります。
そこで本記事では、インプラントがあってもMRI検査を受けられる理由や、確認が必要な3つのケース、実際にMRIを断られたときの対処法について解説します。
チタン製インプラントならMRI検査はほぼ問題なく受けられます

インプラントの人工歯根には、チタンという金属が使われています。チタンは磁石にくっつかない非磁性体であり、MRI検査で問題となる磁性反応をほとんど起こしません。そのため、標準的なインプラント治療を受けている方であれば、通常どおりMRI検査を受けられるケースがほとんどです。
なぜ「インプラントがあるとMRIは撮れない」という誤解が広まったのか

MRI検査は強力な磁石と電波を使って体内の画像を撮影する検査です。そのため「金属を埋め込んでいる=検査に影響する」という連想が働きやすく、インプラントも同じように扱われてしまうことがあります。
また、コバルトクロム合金の金属コアなど、一部の歯科材料は磁性を帯びる場合があり、こうしたケースが「歯の金属=検査に支障が出る」というイメージを広げた一因とも考えられています。
しかし実際には、金属であっても磁性を持つかどうかが重要であり、チタンのように磁石に反応しない金属であれば問題にはなりません。
MRIを受けられない・確認が必要な3つのケース

すべてのインプラントが安心というわけではなく、なかには注意が必要なタイプもあります。
ケース①:磁石(マグネット)式のインプラントオーバーデンチャー
入れ歯を安定させる目的で、インプラントの土台に磁石のパーツを組み込む「インプラントオーバーデンチャー」という治療法があります。義歯を着脱しやすくするための仕組みですが、磁石部分がMRI検査では問題になります。
磁性を持つパーツは強い磁場に反応し、発熱ややけどのリスクがあるため、磁石式の場合は検査を受けられないこともあります。
ただし、オーバーデンチャーのすべてがだめ、というわけではありません。「ロケーターアタッチメント」のように磁石を使わない固定方式もあり、こちらであれば検査に対応できるケースもあります。
心当たりのある方は、必ず治療を担当した歯科医院に確認しておきましょう。
ケース②:素材が不明な20年以上前の古いインプラント
20年以上前になると、コバルトクロム合金など、磁性を帯びる金属が用いられていたことも考えられます。
たとえば、治療した時期がうろ覚えで、素材の記憶もまったくない、という方もいるでしょう。そんなときは、治療時に受け取ったインプラントカードや製品情報票を探してみてください。見当たらない場合は、施術を受けた歯科医院へ問い合わせれば調べてもらえます。
ケース③:歯科以外の医療用インプラントを併用している場合
心臓ペースメーカーや人工内耳、脳神経を刺激する装置なども、体内に埋め込む「医療用インプラント」に含まれます。これらは磁場や電波で誤作動を起こすおそれがあり、命に関わりかねないため、MRIが原則として受けられないものもあります。
歯科インプラントとはまったく別物ですが、問診票に記入するときはどちらのことか整理して書くようにしてください。
MRI検査を受ける前にやっておくべきこと

検査の前にできる準備を知っておきましょう。
治療した歯科医院に素材・メーカー名を確認する
インプラント治療を受けると、多くの歯科医院で素材やメーカーが記載された証明書や手帳を渡されます。いわゆるインプラントカードと呼ばれるものです。
チタンかどうか、製品名は何か、といった情報が記録されています。もしカードを失くしてしまった場合は、治療を受けた歯科医院に再発行を相談してみてください。
なお、正式な書類が必要な場合は、素材証明書や製品情報シートを発行してもらえることもあります。検査日が決まった段階で相談しておくと安心です。
検査機関に「インプラントがある」と事前申告する
MRIの担当者は、患者さまの体の中まで見えているわけではないため、こちらから伝える必要があります。予約のときや問診票を書く段階で、「下顎にチタン製のインプラントが2本入っています」といった具合に部位・素材・本数まで添えるとスムーズに確認が進みます。
実際にMRIを断られたときの4つの対処法

万が一、インプラントを理由に断られてしまった場合は、次の対応を試してみてください。
チタン製であることを伝える
検査を担当する医師や技師に対して「歯科用インプラントで、素材はチタンです」と伝えることで、検査可能と判断されることがあります。証明書があれば、その場で提示するとより確実でしょう。
上部構造を取り外せるか確認する
インプラントオーバーデンチャーのように着脱できるタイプでは、固定に磁石が使われていることがあり、画像の乱れや発熱の原因になります。検査の前に外しておくことで、こうした影響を避けられます。
ただし、外してよいかどうかを自分だけで判断するのは避けてください。必ず担当の歯科医師に確認したうえで進めましょう。
治療した歯科医師に相談・連携してもらう
仮に一度断られたとしても、治療を担当した歯科医師と検査機関が直接やりとりをすれば、素材の裏づけが取れ、あらためて検査に進めることも少なくありません。
CTなど他の画像診断への切り替えを主治医と相談する
どうしてもMRIが難しいときは、別の検査に切り替えるという方法もあります。
その代表がCT検査です。CTは磁場ではなくX線を使うため、金属の磁性を気にする必要がありません。
ただし、放射線による被曝がある点や、金属の周辺に放射状の筋(ストリークアーチファクト)が出ることがある点は理解しておきましょう。
MRIとCTでは、それぞれ得意とする診断の分野も違います。どちらが適しているかは、症状や検査の目的によって変わります。必ず主治医と相談して決めてください。
まとめ
一般的なチタン製インプラントであれば、MRI検査への影響はほとんどないと考えてよいでしょう。ただし、磁石を使うインプラントオーバーデンチャーのように、事前の確認が必要なタイプもあります。
インプラント治療時に受け取った証明書を大切に保管し、MRI検査の予約時にはインプラントがあることを申告することを忘れないようにしましょう。
厚誠会歯科 相模大野では、将来の医療検査まで見据えたインプラント治療を行っています。治療をご検討中の方も、すでにインプラントが入っていてMRIに不安がある方も、お気軽にお問い合わせください。